SUPERアイピース用のスマホアダプターを作る

スカイウォッチャー望遠鏡の付属品のSUPERアイピースがなかなかなの見え味で侮れない。アイポイントは短くて(ベタ付けで撮れるので)スマホ天体撮影にも適してる。
P130は接眼部にM42ネジが切ってあるけどTマウントをつけてもピントが出ない(直焦点撮影ができない)。コリメート撮影もカメラアダプターを介すとピントがでない(ストッパーもないので重いと接眼部ももたない)。スマホでアイピースをベタにのぞきこむ形のスマホアダプターか直づけでしか天体写真が撮れない。月くらいなら直づけ手持ちで簡単に撮れるけど、星雲星団も撮りたいのでスマホアダプターを作ってみた。

画像

アイカップを取ってみると見口もアメリカンサイズでアイピースホルダーにピッタリ入る。なのでスマホケースにアイピースホルダーをパテづけしただけで専用アダプターが作れる。
●材料
スマホケース(脱着しやすいソフトタイプがおすすめ。クリアのTPU(ポリウレタン)だと安く手に入るし)
BORG 31.7ミリアイピースホルダーSS【7314】
プラパテ(エポキシパテ プラ用)・プラバンか厚紙・コンパスカッター(100均で売ってます)


画像

一番短いアイピースホルダーSSをアイピースホルダーに使用。付属のSUPER 25mmはアイポイント20mmなのでベタ付でベスト。SUPER 10mmはアイポイント14mmなので縁が若干ケラれる。なおSVBONYの 62°接眼レンズシリーズもゴム見口を外すとアメリカンサイズの見口なので、このスマホアダプターが使える。ゴム見口を外したので、代わりに植毛紙を見口に貼った(メガネレンズがプラ部に直接あたるのを防ぐ為)。

画像

なおシャッターは100均のスマホ用リモコンが便利。
プラバン(厚紙でも可)を適当な大きさに切り取ってコンパスカッターでM36.4(対物側サイズ)が入って抜けないようぴったりの円を切り抜く。アイピースホルダーとの接着面はネジ側の数ミリしかないことに留意。このプラバンがスマホケースとの接着に重要な箇所。切り取ったプラバンはセンターリング用に使うので捨てないで取っておくこと。

プラバンをスマホケースに合わせて切り揃える(接着後でも可)。アイピースホルダーにプラバンを装着してパテもりしてスマホケースに押し付ける。TPUは軟質プラなので接着が弱い&スマホの出し入れで剥がれやすいので接着面を大きめにしておいたほうがいい。接着の際は、アイピースホルダーに切り取ったプラバンをテープで仮止めして、カメラのセンターに来るように接着する。
ある程度固まってきたら完全硬化前に、撮影と同じようにアイピースを取り付けて視野のムラなどを確認しながら微調整して硬化まで放置して終了。なお位置決めに失敗した場合はパテを剥がして、最初のプラバン作成からやり直し。

画像

P130 VIRTUOSO GTi(650mm F5)+Pixel4a(天体写真モードで撮影)
SUPER 25mm ×26 コリメート写角2°

スリースターアライメントだとスマホの4分コンポジット撮影(天体写真モード)でも結構追尾してくれるようになる。視野回転や流れたりで、ちょっと残念写真が半々くらい。ワンスターアライメントだと成功率が3/1くらいだから追尾精度が上がってる。自宅だとスリースターは難しいな~。ついでに撮影もするならできるだけツースターでセットアップしたほうがいいだろうな。ドブ型のVIRTUOSO はAZに比べると視野回転が大きい気がする。

●使ってみて
撮影がとてもお手軽。専用のスマホケースなのでスマホをはめ込むだけで面倒なセンタリングなどの調整とかしなくていい。対象天体は眼視で確認して見てからアイピースの上からかぶせてネジを閉めるだけ。明るい恒星が写角にあればタッチAFも効く(無限に切り替えた場合は調整必要)。

画像

P130 VIRTUOSO GTi(650mm F5)+Pixel4a
SVBONY 4mm ×162 デジタルズーム

惑星はデジタルズームも使って大きくしたほうが露出が合いやすい。拡大するのにSVBONY 4mmを使ってるけど色ズレが大きく、SUPER 10mm にエクステンダー・プラ(BORGのプラ筒の2.2倍バロー。メタル筒もあったけど終了。月・惑星拡大用に安価で高性能だったんだけど)で拡大したほうが良像だった。ちなみにSVBONY 10mmよりSUPER 10mmの方がヌケが良く中心部はシャープだった(同じ製品かと思ったら違ってた。SVBONYは見かけ視野が62°でSUPERは52° 視野を欲張らなかった分 ヌケがいいのかも?)
手持ちでは行方不明になりやすい惑星の拡大撮影も当然ながら楽。かなり拡大できるのでAE露出も効く(露出補正ができるので惑星表面をトバさずに撮れる)。

画像

P130 VIRTUOSO GTi(650mm F5)+Pixel4a
SUPER 10mm ×65  コリメート写角0.8°

中心像がいいSUPER 10mmだけど周辺像は普通。周辺像は結構流れてる。

画像

P130 VIRTUOSO GTi(650mm F5)+Pixel4a(天体写真モードで撮影)
SUPER 25mm ×26 コリメート写角2°

SUPER 25mmもプラの安っぽい作りからは想像できないほど優秀。星像はポテっとしていて甘めだけど周辺もそれほど大きくくずれない。
なお欠点としては使うアイピースが限定されること。付属アイピースが優秀とはいえ周辺部は流れるし収差も目立つから、もうちょいい像で撮りたいなと思ったら全取っ替えが必要・・・どこかでこの手のタイプのアダプターと優秀なコリメート専用のアイピースとかださないものか(^^;


天文台のスマホ撮影講座で使ってたのは3軸調整できるセレストロンのスマホアダプター。受講者のスマホが千差万別なため、スマホのレンズと接眼レンズのセンタリングの微調整が楽にできるからこれを使った。月なんかだとアダプターなくても大丈夫なんだけど、惑星あたりからあったほうが楽。星雲星団はないと撮れない。
惑星なんかは自作アダプターもおすすめ→YAMANON スマホ望遠鏡アダプター

【アウトレット】「Sky-Watcher P130 VIRTUOSO(ヴィルトオーソ)GTi」スマホやタブレットで簡単操作!自動導入・自動追尾の経緯台!コストパフォーマンス抜群の口径130mmニュートン反射式望遠鏡セット! - シュミット 楽天市場店
【アウトレット】「Sky-Watcher P130 VIRTUOSO(ヴィルトオーソ)GTi」スマホやタブレットで簡単操作!自動導入・自動追尾の経緯台!コストパフォーマンス抜群の口径130mmニュートン反射式望遠鏡セット! - シュミット 楽天市場店

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック