鹿角平天文台・35cm主鏡の電子観望もどき(単にOMDをつけただけ)

鹿角平天文台は3.5mドームと狭く密になるので、コロナ禍で観望会がほぼ絶望的。昨年はドームは1組限定で対応した。イベントは野外で星座解説と電子観望をおこなった。キャンプ場にある当台では、電子観望があまりなじまないなと思った。天体でなく星空を楽しみたいという人の方が多いし、そのついでに天文台の大きな望遠鏡をのぞいてみたいというのがある。(話はそれるけどのぞいてなんぼみたいで、見ても面白くないと思ってしまうような一等星とかでも喜ばれる)電子観望はある程度、映し出される天体がわかる様な星に興味がある人向けだと思う。

ToupCamで電子観望 星雲星団編

ミニボーグ等で電子観望してると、天文台の望遠鏡とか、大きな望遠鏡の画像は? とか言われるし(^^; ついでにスタックのタイムラグが若干じれったい・・・ということで コロナ禍はまだまだ続きそうだし、密なドームでの観望再開はまだ先ぽいので、主鏡を使った電子観望と よりライブ感のある電子観望システムを構築してみました・・・まあ単にLVブーストで映せるオリンパスOM-Dをつけただけですけどね。

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使用したのは、オリンパスOMD-EM5MarkⅡ これをワイヤレスHDMI送受信機で、研修室のTVや野外のプロジェクターに送信するだけの簡単システム。

※研修室のTVに送信だけなら有線(ケーブル)でいけると思うけど、イベント時などは野外投影になるので無線方式にした。ちなみにHDMIは10mまでなら写るようでこれを越えるとブースト(リピーター)しないと写らないことが多いようです。

CCDでなくミラーレスを使用したの理由は、PC不要なこと。PC制御のCCDカメラだと使える人が限れれる(と言っても、露光/ガンマ・WB・スタックの調整くらいなんだけど)から、カメラなら誰でもとっつきやすいし使うのも簡単だろうと思われるので(基本はカメラつけてピント合わせるだけで操作不要。月・惑星時に露出ダイヤルくらいしか使わない。ついでに俺はまだ闘病中で引退もあるかもだし)。ついでに、星景教室とかで撮影手順を実際に撮りながら投影できるのでいいかなと(^^;

オリンパスOMD-EM5MarkⅡにした理由は、LVブーストが使えること。若干カクカクするけど星空など増幅して明るく見せる機能(ソニーではブライトモニタリング)で、HDMIで外部モニターでブースト映像で見れるのがオリンパスだけだった(ソニーはファインダー内だけで表示)。ちなみにHDMI端子をカメラに指すと、一眼レフでは背面モニターが表示されなくなる(EOSの場合は背面液晶に表示される露出表示などもすべて外部モニターに切り替わる)。OMDでは露出やモード・データーのON/OFFなどが表示できなくなるので、できたら外部モニターがあると、受信機に送られてる像をモニターできるので便利。

ただ1万くらいするので、不要のアナログ式TVを利用してる。

HDMI-AV 変換アダプタ-でアナログTVを外部モニターに使用。変換ADは700円くらいだった


ブライトモニターは使えないけど超高感度での動画モードで星雲星団が写せるα7Sも検討した。モニターで見てもらう場合、ドームと離れてるいるので、ライブの電子観望に拘る必要はないだろうし、録画でもライブでも同じ感想かも知れないしね。あと曇天用にストックとしていいかなと・・・立ちはだかったのは予算の壁(^^;
中古でも7Sがやっと10万以下になったくらい(α7SⅢもでて中古価格も下がったかなと思ったんだけどね)。OMD-EM5MarkⅡの中古だと3万くらいということでEM5MarkⅡに決定! ちなみにLVブーストはE-M10から搭載(EM5は非搭載)されていて中古価格が2万以下。電子観望的使いかたでのEM5Ⅱとの違いはモニターがチルト式かバリアングルかだけ。

OMDのLVブーストによる電子観望もどきは、星団(散開・球状ともに)にはなんの問題もなくきれいに見れる。
ノイジーだけどそれが動画ぽく見える。球状星団とか小さな対象にはデジタルズームや拡大表示すればより迫力が増す。ただ星雲はほぼダメ。面光度が高い明るい星雲でないと無理。

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M4/3機を主鏡につけると、主鏡35cm f=2100 F6(視野円0.4°に内接)。LVブーストの電子観望には暗いのでレデューサー をつけて明るくした。

主鏡で ×0.5 1050mm F3(視野円1.2°に内接)。副鏡/FC125は500mmF4(視野円2.5°に内接)。
使用した笠井のフォーカルレデューサーはM4/3で周辺は流れるけど撮影用にはそこそこ。なんとか明るくしたい場合用かな? 眼視用にアイピースに取り付けると、低倍率・広視野になるけど、アイポイントがマイナスになる感じでかなりのぞき辛い。なおドローチューブに40mm以上余裕がないと合焦しないので要注意!! またKissにつけたら合焦しなかった(ミラーボックスの分か?)


星雲はLVブーストでなく、ライブバルブ(使うのはレリーズ不要のタイムだけど)か、ノイズは無視して超高感度数秒露出の静止画で対応。ライブバルブは見てるほう変化に飽きないのがだいたい4・8秒間隔かなと思う(8秒はやや長いと思うけど対象次第)ライブバルブはISO1600が最高感度で9回表示なので36秒露出(8秒なら72秒)の画像が表示されるけど星雲にはほぼ露出不足。ただそこそこ輪郭が見えてくる露出なので、解説で尺を伸ばして、1~2分露出でシャッターを閉じればそれなりの星雲や銀河の画像が表示できると思う。

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この日は雲が多くて銀河は断念。ライブコンポジットで星の動き。Cマウントの50mmレンズ使用


ちなみにLVブーストはF2.8以上のレンズなら天の川がわかる。Cマウントレンズの明るいレンズが安価に買えるので、星座や双眼鏡的な電子観望も面白いかも知れない(三脚固定だけで出来てお手軽)。
またライブコンポジットを使うと星の動きを見ることができる(意外と面白い)ついでだけど惑星・月は無問題。動画モードでもいける。眼視で見るより地形や模様はわかりやすいかも? 

GW観望会でこのシステムがデビュー。一日目雨。二日目曇り。三日目が曇り時々晴でやっとお披露目。強風で野外は無理で、研修室のモニターだったけど評判は上々(^^; 薄雲の通過がおおくて春の銀河は断念。このシステムの欠点は音声がおくれないので、ドームの撮影者とモニター前の解説者が必要なこと。(研修室くらいなら行き来できるけど)あと操作を見せてよりライブぽいことができないことかな。場合によっては、野外ならミニボーグ60×0.5(175mmF2.9)と明るくなるで、AZ-GTiと組み合わせて、解説しながら見てくのにいいかもしれない。そうなるとToupCamとの使い分けとか悩ましいな(あれ? 最初の2段落目にもどる)

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